RUDRA “ṚTA”

幾度となく唱えられるシュローカ、ミステリアスに響くガムラン、インディアン・フルート、タブラを用いた大作志向（8分〜12分！）。速度と激しさを抑えつつ、神妙で深遠な雰囲気を醸し出して蘇らせる2000年前の神話と伝説の世界。

ヴェーダ時代のサンスクリット語文学と哲学に傾倒したシンガポールの……否、世界を代表するヴェーディック・メタルの雄、RUDRA。今回彼らが挑んだのは、『マハーバーラタ』と共にインド2大叙事詩の一つであり、東南アジア圏にも大きな影響を与えてきた『ラーマーヤナ』を題材にしたコンセプト・アルバム。
聖仙ヴァールミーキが編纂したとされる『ラーマーヤナ』は、魔王ラーヴァナに略奪、幽閉された妃シーターを、ガルーダやハヌマーン等多くの協力を得て奪還するラーマ王子の冒険物語ではあるが、そこには神々の化身達が繰り広げるイノセントなまでの欲望と愛憎劇に深い教えが込められている。

追考せよ。天体の運行、自然界、祭式、さらには人倫まで、その一切に通づる全宇宙の秩序、天則であるṚTAを忘れるべからず。

2013年発

収録曲
01.Death 8:48
02.Heartbreak 11:00
03.Abduction 9:50
04.Resolve 10:44
05.Manipulation 9:51
06.Assault 12:35
07.[Untitled] 5:15

サンプルは「Heartbreak」のプレビュー(11分のうちの7分19秒)。