CRESCENT LAMENT “Elegy For The Blossoms”

CRESCENT LAMENT “Elegy For The Blossoms”

販売価格: 2,000円(税込)

数量:
あの衝撃のデビュー・アルバムから4年……またしても涙を堪えることはできなかった。

東洋一の悲劇的ゴシック/フォーク・メタルとして知られる台湾のCRESCENT LAMENT(恆月三途)。
今回のセカンド・アルバムで彼らが挑んだのは、埋もれて消えかけていた台湾の歴史を掘り起こし、台湾語で語り、伝統楽器を取り入れて創り伝えること。
これはまさに紛うことなき純然たる台湾フォーク・メタルなのである。

抵抗する術もなく儚く散ってゆく可憐な花のようなMuer Chouのソプラノ・ヴォーカルと痛む心を叫ぶ悲痛な男性グロウル。傷口にえぐり込むようなリフで惨劇の舞台を組み立てるギター。無残に散る様を演出するキーボード。傷みと慈しみを乗せて思い出の風になびく琵琶と二胡の旋律。
これらが渾然一体となって表現していく『Elegy For The Blossoms(花殤)』は、メンバー自らが台湾の歴史と文化を徹底的に調査した結果得られた史実に創作を交えて紡がれる悲劇的物語。

これは2015年に発表された亜細亜鋼鉄盤の中でも最重要作品であると断言できる。


過ちなら正せばいい
運命ならば覆せばいい
海を挟んで流され揺れるかぼそい糸
所詮どうにもままならない宿命だったのだ
激動の時代に台湾と日本の間で翻弄された可憐な花々の物語
望む処で咲き誇れないままに摘み取られ
声にならない悲痛な残り香だけがエレジィとなって漂いつづける
これすなわちもののあはれといふなり

======================================
主な舞台となるのは日本統治時代末期から中国国民党政権初期。当時の台湾において、経済、文化の中心地となっていた大稲埕(だいとうてい/Twatiutia)で働く台湾人芸者、阿香(A-hiong)の身の上に起こったいとおしき説話。

物語は、父親に連れられて日本から台湾へやって来た松子と台湾人のビジネスマン清田(Tshing-tiân)が出会い、瞬く間に恋に落ちた1927年(昭和2年)に始まります。けれども、2人の秘密裏の交際は予期せぬ松子の妊娠から発覚することとなり、双方の両親から猛反対にあうのです。
1928年(昭和3年)。松子は阿香(A-hiong) という女の子を産みましたが、子供を残したまま強制的に日本へ帰国させられてしまいます。その後、松子はこの悲しみだけを置き去りにした台湾に再び足を運ぶ事はなかったのでした。

結果として幼子阿香は父親である清田の元で育てられることになりますが、彼にとって松子との別れは非常に辛く、深い傷は癒えぬまま。仕事面でも上手くいかない事ばかりが続いてしまいます。そんな1933年(昭和8年)。ついにその苦しみと悲しみに絶えられなくなった清田は、まだ小さな阿香を残して自から首を吊ってしまいます。そして清田の家族はこの不幸の元凶のすべてを幼子の所為にして彼女を売ってしまうのでした。

阿香は大稲埕にある置屋に引き取られ、芸者となる為に必要な技術を教え込まれました。そして1940年(昭和15年)になると、ついに芸者としての資格を有して働き始めます。とはいえ、芸者として生活していくことは容易ではなく、日々の仕事の中で阿香は自身の人生や両親について思いを馳せることもしばしばです。さらに他の芸者仲間の惨めな顛末を耳にする日も少なくありません。もはや自分の心を押し殺して作り笑顔でお客様に奉仕する毎日にも疲れ果て、次第に将来の不安だけが募る一方となってゆくのでした。

そんな折、人生を変えるかもしれないわずかな希望が訪れます。彼女の元に明風(Bîng-hong)という若い実業家が姿を現したのです。この混沌とした時代の中で、二人の心はますます通じ合い、この人こそ運命の相手だと互いに考えるようになりました。
しかし、1943年(昭和18年)。別れの時は突然訪れます。明風は仕事の為に日本へ赴かねばならないことになったのです。彼は必ず1年後には帰国して結婚することを誓い、涙ながらに台湾を後にしました。

ところが日本の戦況は次第に悪化の一途を辿ります。さらに台湾と日本を隔てる海域は米国の潜水艦が幅を利かせる状況となり、明風の帰国は極めて困難になりました。したがって、当初の予定よりも大幅に長く日本に留まることを余儀なくされたのです。

政治情勢が急速に変化していくこの状況下で、いったいいつになったら最愛の人が戻ってくるのかなど知る由もない阿香。女将は彼女に裕福な男性の妾になるよう取り決めをし、彼女は為す術もなくそれを受け入れてしまいます。1946年(昭和21年)の事でした。

そして訪れた結婚式の前日、突如として明風が姿を現すのです。彼は彼女に事の顛末を話し、日本に閉じ込められた以上、終戦を待たなければ帰国は叶わなかったことを告げます。
しかしながら遅すぎたのです。阿香の頬を涙が伝い落ちます。そっと明風の手を取り、斯くなる上は、"来世で、きっとまた2人は巡り逢える" ただそう祈るだけしか、そう、もはやそれだけしか彼女に残された手立てはなかったのであります。
======================================


しかし、誰がここで物語が終わるなどと決めつけられるだろうか。我々は知っている。二人の魂はかならずや来世で巡り合うことを。そして、そこまでも互いに想い合える相手に出会えたことは、なによりも幸福だったのだということも。

残念なことに現在我々日本人の心から失われつつある、「もののあはれ」という感性は台湾に受け継がれ残されていたのかもしれない。ならば本作を通して今一度その感性を呼び覚まし、2つの魂を共鳴させてひとつにすべき時が来たのだ。
この物語をただ悲しいと言わず、愛おしくも美しいと思えた貴方ならばもうおわかりだろう。

デジパックにはメンバーのサイン、ポストカード、ステッカー、ポスター付属!!!

2015年発表。
3面開きデジパック仕様

収録曲
01. 晴雨 / Sedative Rain 1:23
02. 月映西窗 / Lullaby of Sanctuary 4:56
03. 風月場 / A Mental Escape 4:35
04. 繁花落盡 / Last Embrace 4:43
05. 殘香 / Flavor of Emptiness 4:18
06. 尪仔面 / Masked Doll 4:14
07. 煙花易寒 / Once Blossomy 4:53
08. 風.聲起 / Autumn Rustle 3:18
09. 梧桐落 / When Leaves Buried the Promise 5:45
10. 還君明珠 / Just Not Meant to Be 6:22

Facebookコメント