POWER METAL "IX"

POWER METAL "IX"

販売価格: 1,500円(税込)

商品詳細

インドネシアのKing of Heavy Metal、パワーメタル。
オリジナル・ギタリストIpunkと、90年代にバンドを支えたギタリスト、Luckyのツイン・ギターとなった9作目。

2010年リリース。

収録曲
01.Sang Waktu 4:30
02.Keyakinanku 4:23
03.Hidup 4:43
04.Cinta Untukku 4:52
05.Hanya Manusia 3:53
06.Ode Orang Pinggiran 3:44
07.Sang Pemberani 3:31 7:38
08.Ayah 3:58
09.Satu Jiwa (Empowered) 5:38
10.Ninth Sense 4:34

以下はFM yokohamaの番組『ROCK DRIVE』のブログ内コーナー「アジアン・ロック通信」用に書いた文章です。
=============================================================================
時代の潮流に逆らってまでも自己のスタイルを貫き、その道を追究していくことは、言うほど簡単なことではない。それもインドネシアという地でヘヴィ・メタルという音楽を24年間続けてきたともなれば、なおのこと。

ヘヴィ・メタルが世界を席巻した1980年代、インドネシアにもまたヘヴィ・メタルの波が押し寄せ、各地で新しいバンドが生まれていた。そんな中、1986年にPOWER BANDなる5人組のヘヴィ・メタル・バンドが結成される。そして結成後、ほどなくして行われたメンバー・チェンジを機にバンド名をPOWER METALと改める。これが、後に"キング・オブ・ヘヴィ・メタル"と呼ばれることになるバンドのスタートだ。

POWER METALと改名した彼らは、数多の強豪がひしめく中、1980年代後半に行われた数々のメジャーなロック・コンテストを総ナメにしていった。その結果、1970年代初頭から活動を続ける伝説的なプログレッシヴ・ロック・バンド、GOD BLESSのツアーの前座を務めるという栄誉を受ける。

1991年、満を持してデビュー・アルバム「Power One」を発表。ソウルフルで個性的なハイトーン・ヴォーカル。そしてヨーロッパ圏のメタルからの影響が顕著に現れたメロディアスなギターを武器に、泣きとスピードを伴った正統派のサウンドは好意的に受け入れられ、アルバムは記録的な大ヒットとなり、カセットテープ会社のBASFアワードで新人賞を受賞するに至った。

その後、1990年代半ばまでバンドは"キング・オブ・ヘヴィ・メタル"として君臨するも、オルタナティヴ・ロック、パンク・ロックが台頭してきたことにより、インドネシアのヘヴィ・メタルは壊滅状態となる。多くのバンドが活動を続けられずに解散、もしくはポップ、またはルースでダークなリフをメインにした別の音を出すバンドになったり、スタジオ・ミュージシャンになっていった。

当然のことながらPOWER METALもその煽りを受け、活動が困難になる。アルバムとアルバムの間の期間も長くなり、メンバー・チェンジを繰り返していく。この10数年もの間、バンドは苦境に立たされたままだ。都市部ではデス・メタル・バンドも定着しているとは言え、インドネシアの音楽シーンは依然としてピュア・ヘヴィ・メタルが入り込む余地は見当たらない。

ただ、POWER METALはどんな状況下においてもバンドの信念を貫いた。売れるとか、売れないとか、生きるとか死ぬとか、そんなことよりもヘヴィ・メタルであることを選択し、逆境の中を跪くことなく顔を上げて歩みを進めてきた。一体どのくらいのバンドが彼らのようにできるだろうか。少なくともインドネシアには彼ら以外は存在しない。故にバンドはカリズマ視され、ファンはあまりにも熱狂的なのだ。

2010年7月、バンドは6年振りとなるアルバム「IX」を発表した。今回のアルバムは、オリジナル・ギタリストと、もう一人、90年代のPOWER METALを支えたギタリストのツイン・ギター体勢となっている。これはバンド史上初の試みである。また、ベースとキーボードに若い人材を迎えることにより、新たなグルーヴ感とシンフォニックな要素を取り入れ、さらには21世紀のメタル要素を加味してはいるが、紛れもなくインドネシアのパワー/スピード・メタルの権化、POWER METALのサウンドを作り上げている。

バンドはアルバム「IX」を発表後、すぐにツアーを開始。この日を待ちわびたかのように集まったファンは意外にも比較的若い層だったが、デビュー当時の曲も新曲もすべて大合唱。軽やかにマイナー・スケールをキメてくるギタリストと情念で弾く二人の異なったタイプのギターに魅せられ、轟音の中を突き抜けてくる衰えを知らないハイトーン・ヴォーカルに、その場にいたすべての人がひれ伏していた。

多くのインドネシア人は敬意を込めて「POWER METALは伝説だ!」と言っていたが、伝説にするにはまだ早すぎる。彼らはまだヤれる。

バンドはすでに今回のアルバム「IX」のパート2とも言える「X」の準備を始めている。今まさに、新生POWER METALの船出である。

インドネシアの誇り、ヘヴィ・メタルの誇り。それがPOWER METAL。
Salam Metal!! Sampai Mati.....
=============================================================================

サンプル動画は「Sang Waktu」のPV。

他の写真

Facebookコメント