AL-NAMROOD "Worship The Degenerate"

うわべの力にこうべを垂れて
忠誠心を表する
そこに充足感を得たなら
それは盲目的な崇拝に過ぎない
存在すらしない優劣の差は広がるばかり
そのままで良いのか　退廃者どもよ
己の人生は自分の意志によって選び取れ
さあ お前はどうする

命の危険を顧みず、独裁国家サウジアラビアで秘密裏に蠢き、大胆に反骨精神を表現する怒涛のアラビアン・エクストリーム・メタル、AL-NAMROOD（AL NAMROOD）。

今作では、忠誠心の危うさを説いていた前作『Wala’at』をさらに押し進め、それが崇拝まで進展してしまった者たちに“退廃”の烙印を押して檄を飛ばす。力にではなく、己の自由意志に従え、と。

パンキッシュでハードコア的な要素を強めた時期もあったが、今作では（ブラック）メタルよりに回帰。曲半ばでぶった斬る演出を含め、26分にも満たない短いアルバムではあるものの、圧と鋭利で周波数を高めた音色も含めその楽曲の過激さはこれまででもトップレベル。当然、これまで同様にアラブ楽器の音色も鳴り響かせながら荒れ狂い、打ち砕かれた世界（ディストピア）を生々しいまでに浮き彫りにする。

カルトな雰囲気を醸し出していた前任ヴォーカリストHumbabaは個人的な理由で脱退してしまったが、新ヴォーカリストとしてArtiya’ilが加入。アラビア語と英語を交えながら鼓膜を粗目のグラインダーで愛撫するかのような叫びを撒き散らす。

300枚限定
2022年発表

収録曲
1.Protector of the Herd 05:11
2.Worship the Degenerate 02:54
3.Guerillas 04:27
4.Sun of Liberation 04:21
5.Eclipse 04:34
6.Free Will 04:24

サンプルは「Guerillas」