THE FLOWERS "Roda Roda Gila"

THE FLOWERS "Roda Roda Gila"

販売価格: 1,300円(税込)

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商品詳細

SLANKを筆頭にGang Potlotを代表するロッカーはOppie、PLASTIK、そしてこのTHE FLOWERS。

本作は、ほぼ10年に1度しかアルバムをリリースしない彼らの3作目。
一発キメたロックンロールを披露するイキの良さをアピールした1997年のデビュー・アルバム『17 Th Keatas』から22年経過し、随分と大人になったことだろうと誰もが想像してしまう。ところが、歌詞は若い頃同様に楽しさや茶目っ気のあるヤンチャさに溢れ、音楽性もデビュー時の感覚に近づけた模様。今作では、楽曲の骨組みを元に全員でジャム・セッションを行いながら各メンバーの解釈を加えてアレンジしていく生のライヴ感覚を活かした創作がされている。もちろん20年前よりは色気も出てきて落ち着いついてはいるけど。
タイトル・トラック「Roda-Roda Gila」はBLACK SABBATHのフレーズを借用した遊び心があるが、彼らの基本はブルージーなロックンロール。だからAEROSMITH、LED ZEPPELINを彷彿とさせる……というか、つまりはTHE BLACK CROWSやTHE WHITE STRIPSE的な方法かも。ただし、母国語で歌っていること、そしてTohpati、Dewa Budjanaなどのフュージョン系ミュージシャンともコラボを行う管楽器奏者Eugene Bounty(このアルバムではテナーサックス)がメンバーなので一味違う。このバンドには珍しくバラードで聴かせる曲ではギターソロでは出せないセクシーな雰囲気もサックスが演出。

2019年発表

収録曲
01.Ngehe 3:58
02.Roda-Roda Gila 4:36
03.Biar Tuhan Ikut Bernyanyi 5:03
04.Bebek & Panda 4:10
05.Baby Blues Syndrome 5:28
06.Gue Pikir Loe Asyik 4:21
07.Bernyanyi Sampai Mati 5:14


ギタリストのBorisがいくつかの質問に回答してくれました。

ARR:過去のインタビューを参照すると、アルバムと曲のタイトルにもなっている“Roda Roda Gila”は、浮き沈みのある人生のホイールと同一視しているようですが、この表現はメンバー自身の経験から得た知識だと思います。過去10年間に何が起こったのでしょうか。 また、「Roda Roda Gila」という曲はバイクに乗るときのスリルを歌った曲でもあるとか。

Boris:まさしくその通り。この残酷な世界で俺たちがどのように生きているかについて歌っている。 この10年間で本当にたくさんのことが起ったんだ。 でも、良かろうが悪かろうが、生き続けるために情熱の炎を絶やさない限り、何の違いもないんだよ。というわけで「Roda Roda Gila」がバイクのスリルを歌っているのかどうかを答えよう。……インドネシアの交通渋滞を見たことはあるかい?特にジャカルタのような大都市で。みんなどうかしちまってる!交通ルールなんてないようなもんだ。ちょっと大袈裟に言いすぎたかもしれないけど、そんな感じさ。俺はバイクに乗っていないけど(昔は乗っていた)、近ごろ見ているとほとんどの人がクレイジーにバイクに乗っていると感じる。安全なんて後回し。一番重要なことは、何があっても自分の目的地にどれだけ速く到達できるかということだ。もちろん、バイク乗りの全員がダメってわけじゃないけど、大概はそうなのさ。だから、俺の見解では、人生とはバイクでクレイジーな道を走り抜けるスリルに似ている。“自由になりたければ、アクセルを踏まなければならない!”何があっても、とにかく速く走るんだ!(君のバイクがそれに耐えきれなくても…ハハハ)でも最終的には、歌詞の解釈は聴く人に任せるよ。ハハハ。

ARR:確か、若い頃はTHE BLACK CROWS、THE ROLLING STONES、LENNY KRAVITZが好きでしたよね。THE FLOWERSのブルージーなロックンロールのスタイルは今も基本的に変わっていません。新作ではAEROSMITHやLED ZEPPELIN的な要素も少し入っていて、「Roda Roda Gila」ではBLACK SABBATHっぽいフレーズを弾いていますね(笑)。今作で何か意識したことはありますか。

Boris:実際、俺はクラシックなロック音楽を聴いて育ってきた。もちろん、すべてブルース/ロックンロールをベースにしたもので、KISS、ZEPPELIN、DEEP PURPLE, SABBATH、HENDRIX、THE STONES、THE ALLMAN BROTHERS BAND、THE BLACK CROWES、THE DOORS、JUDAS PRIEST、AEROSMITH、IRON MAIDEN、MOTORHEADなんかだね。さらにはMETALLICA、ANTHRAX、MEGADETHなどのヘヴィなものも含まれる。そして忘れてはいけないのが日本のロックバンド「LOUDNESS」だよ。 彼らは最高さ!ってなわけで今挙げたバンドたちのフレーズやサウンドは、俺たちのすべてのアルバムで聴くことになるんじゃないかな。

1997年1stアルバム『17 Tahun ke Atas』FLOWERS名義。カセットテープのみ。
2010年2ndアルバム『Still Alive & Well』FLOWERSからTHE FLOWERSへ。
2019年3rdアルバム『Roda Roda Gila』

ARR:クラシックなロックではなく、新しいバンドや音楽はいかがですか。

Boris:俺はミュージシャンとして、常に新しいものだけでなく、あらゆる種類の音楽を聴くように努めてきた。時々Billie EilishやAdeleを聴くのもいいね(ところで、それらは新しい音楽とみなされてる?)でもさ、ブルース・ロックやガレージ・ロック、あるいはJack White/THE WHITE STRIPES(大ファンなんだ!)のような“若い世代”から出てきたものであっても、俺はいつも“古いもの”に戻ってしまう。GOV’T MULE、Lenny Kravitz、THE STROKES……彼らがもう若くないことは知っているけど。

ARR:今作はジャムをベースとしてアルバム制作されたと聞いています。 

Boris:1stアルバムのとき、俺たちはいくつかのリフ(があったりなかったり)、おそらく歌詞のようなもの(があったりなかったり)を持ってスタジオに来て、時にはヴォーカルのメロディ(があったりなかったり)を持ってきて、残りはフル・ジャムで作り、アルバムはテープ録音のアナログ時代に録音された。けれども2ndアルバムでは違うアプローチで制作した。 ドラムと一部のヴォーカル・トラックを除いて、ほとんどの曲を自宅スタジオで録音したんだ。 だから、基本的にはジャムってない。 最初に俺(または俺たち)がコンピューター上に記録して、トラックダウンするまでにあちこちを少しだけ変更する感じだった。3rdアルバムでは、1stアルバムのときのような楽しさ、興奮、ジャムる感覚、あるいはスポンテニアスなものを取り戻したかった。でもあの頃と違うのは、俺(または俺たち)がすでにいくつかの基本的なリフ、コード、メロディー、歌詞を準備していたという部分。それからバーへ行ったんだ。バーなら昼間は空いているからね。その誰もいない時間にほとんどの曲を録音した。コンピューター(もうアナログのテープ・マシンじゃない)、アンプ、マイクなど必要な機材を全部持ち込んでさ。で、各曲のアレンジをするためにジャムったんだ。

ARR:溌剌とした雰囲気もありますし、肩肘張らずに楽しめるアルバムで良いとは思うのですが、ひとつ気掛かりなのは、このアルバムには7曲しか収録されていないことです。これまでのアルバムで一番少ない曲数です。ほぼ10年周期でアルバムを発表するバンドなのでもう少し……。

Boris:最近では10~12曲入っているアルバムに対して、5~7曲しか入っていないアルバムを EPと呼んで区別したりすることはなくなったと思う。 収録曲数に関係なくアルバムと呼ぶことができるんだよ (もちろん、少なくとも 4 〜 5 曲は収録されているよ)。 俺の個人的な意見だけどさ。だから、10曲収録しても気に入らなかったり満足できなかったりするよりは、7曲だけでも俺たちがハッピーならそれのほうがいいんだ。

ARR:サックス奏者のEugeun Bontyは『Still A Live & Well』からTHE FLOWERSのメンバーとして活動しています。一般的な見解だと彼はジャズ畑のミュージシャンと仕事をすることが多い気がするのですが、その彼をロックンロールバンドTHE FLOWERSに誘った理由を教えてください。 また、今回のアルバムでは前作とは異なり、Eugeun Bontyはアルトからテナーに持ち替えたと聞いています。

Boris:1997 年に1stアルバムがリリースされた後、いくつかの困難な状況が襲い掛かった。 その中の1つは、ドラマー(Andrey Chilling 2009年8月30日にバンドンで交通事故)とギタリスト(Andy Cole)の2人を失ったこと。 彼らが亡くなってしまったのはもちろんとても悲しいことで、その後バンドはある意味“解散”したというか”ヴァキューム”?というべきか。手短に話すと、2005年に俺とヴォーカリストは再びバンドを続けることに決めたんだけど、今度は何か以前とは違うことがしたかった。当時、バンドにギタリストが二人っていうのは編成の面で退屈に思えてね。ギター2本にベース、ドラム、キーボード……そういうのはもうたくさんだ。だから生まれ変わったTHE FLOWERSのサウンドを違ったものにするためにサックスを使うことにした。正しい選択だったと思う。この楽器は50年代のロックンロールにとって基本であり重要な楽器だということは分かりきっているからね。まあ、これがそれほど新しいアイデアでもないってことは知っていたけど、当時はそう考えたんだ。少なくともこの国においてはサックスをラウドな音楽で演奏する人はいなかった。あと、正直に告白すると、MORPHINE(サックス、ドラム、ベースのみ)というバンドにも影響を受けた。で、その後にTHE ROLLING STONESのトリビュート・バンドで偶然にもEugeun Bontyと一緒に演奏したんだ。それまで彼の演奏は聞いたことはなかったし、どんな音楽に夢中になっているのかも知らなかった。ただ、彼がジャズをよく演奏しているってことだけは知っていた。そんな状態だったけど、ジャムをして一緒にステージに上がった時は本当に驚いたね。 彼はロックだよ! 当時もアルトを吹いていてね、ステージでの彼の演奏やパフォーマンスを見ると「よし、やっと探していたものを見つけた! これだよ、 彼だよ!」という気持ちになる。ヴォーカリストも「完全同意!」って言ってたね。それでときどき一緒に演奏していたんだけど、2ndアルバムS『Still Alive & Well』で再結成する時に彼も参加することを同意してくれたというわけ。その当時のアルバムではまだアルトサックスを使用していて、当時の俺にはそれで問題ないように聞こえていたんだけど、年が経つにつれて以前よりも重いものが必要だと感じてきた。アルトだと俺たちの音楽には厚みが足らないように聞こえるから、テナーを買ってもらうように頼んだところ、 彼も同意してくれた。その結果は本当に素晴らしいものになったよ。クランチーでクリーミーな大音量のギターとテナーサックスの音のミックス。文句のつけようがないほど最高!

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